UK — The Register
グーグルのAI衛星、地球へ非常に高価な俳句を送信
宇宙2分で読めます
Googleは、宇宙に送った実験用のAIデータセンター衛星「Suncatcher」が、地上からの指示に応えて俳句を作ったと発表しました。宇宙でAIが動いた最初の大きな一歩です。
何が起きたか
Googleの実験衛星Suncatcherが、今月打ち上げられて地球の低い軌道に入りました。地上局から「地球を回るTPUの視点で俳句を書いて」という指示を送ると、衛星上のAIモデルが宇宙から返事を送ってきました。TPUは、AIの計算を速く行うためのGoogleの専用チップです。
数字で見る主な事実
- 返ってきた俳句は約20トークン分(トークンはAIが扱う文字のかたまり)です。
- Google Cloudの料金で計算すると、その費用は約0.000012ドルです。
- 衛星の重さは約500kgと推定されています。打ち上げ価格は1kgあたり約7,000ドルとされています。
- Googleは、打ち上げ費用が1kgあたり200ドルまで下がれば、地上のデータセンターの電気代と同じくらいになると試算しています。そして、2035年ごろにはそうなると予想しています。
なぜ宇宙にデータセンターなのか
AIを動かすデータセンターは、大量の電気と冷却を必要とします。宇宙では太陽の光を安定して使える場面があり、Googleはそこに可能性を見ています。ただし、宇宙に物を運ぶ費用は高く、放射線など宇宙特有の問題もあります。
放射線テストの結果
- 地上での陽子ビーム試験で、TPUとサーバーの耐久性を調べました。
- 高速メモリは、累積線量2 krad(Si)で誤動作が見られました。これはGoogleの最低基準750 rad(Si)の約3倍です。
- 研究チームは、通常のAI処理では誤り率が低く、推論(答えを出す作業)なら許容範囲になりそうだと述べています。一方、学習作業への影響はまだ調べる必要があります。
なぜ大切なのか
AIの計算需要は急速に増えており、地上のデータセンターには電力や土地の限界があります。宇宙で計算できれば、新しい選択肢になるかもしれません。今回の俳句は小さな成功ですが、本当に役立つかはコストと信頼性を示せるかにかかっています。
用語解説
- Suncatcher
- Googleが作った、宇宙でAIの計算を行う実験用の衛星です。
- TPU
- Googleが作ったAI計算専用のチップです。