JP — ITmedia
政府、相次ぐ情報漏えいで事業者に注意喚起 「基本的な対策が不十分」な事例を複数確認
セキュリティ2分で読めます
政府の国家サイバー統括室が、相次ぐ個人情報の漏えいを受けて、Webサイトやモバイルアプリを運営する事業者に注意を呼びかけました。基本的な対策が足りなかった例が複数見つかったためです。
何が起きたのか
2026年11月5日、内閣官房の国家サイバー統括室が、事業者向けの注意喚起を公表しました。最近の情報漏えいでは、基本的な対策が十分でなかったことが原因とみられる例が複数あったと説明しています。そのうえで、事業者にセキュリティ対策を徹底するよう求めました。
攻撃の手口は?
統括室によると、攻撃者はインターネット上のWebサイトを大量に調べ、侵入できるシステムを探しています。そして個人情報を盗んでいます。この調査や侵入には、AIが使われている可能性が高いと見ています。以前は『危険度が低い』とされた小さな弱点を、いくつか組み合わせて侵入されるケースもあります。そのため、幅広い事業者が狙われているということです。
見つかった主な問題
- サポートが終わったソフトウェアを使い続けていた
- 既知の脆弱性(弱点)が直されていないソフトウェアを使っていた
- モバイルアプリ開発時のセキュリティ対策が足りなかった
- Webサイトなどの設定に不備があった
求められている3つの対策
1つ目は、システムを運用・管理する段階の対策です。使っているソフトの中身や弱点を把握し、直す順番と期限を決めることが求められています。推測されやすいパスワードで管理画面に入られた例もあるため、不要な管理画面は公開しないよう呼びかけています。2つ目は、設計・開発の段階の対策です。最初からセキュリティを考える『セキュリティ・バイ・デザイン』を徹底することや、公開前に弱点の診断をすることが推奨されています。3つ目は、委託先などを経由した侵入への対策です。委託先の接続経路を洗い出し、多要素認証(ログインに複数の確認を使う仕組み)を入れるよう求めています。
なぜ大事なのか
個人情報は一度漏れると取り戻すのが難しいです。AIを使った攻撃は今後さらに広がるおそれがあります。小さな会社や、外部に仕事を任せている会社も狙われやすくなります。基本的な対策を確実に行うことが、利用者を守る近道になります。
用語解説
- 国家サイバー統括室
- 政府の中で、国のサイバーセキュリティ対策をまとめる役所の部署です。
- 脆弱性
- ソフトウェアなどにある、攻撃に悪用されうる弱点のことです。
- セキュリティ・バイ・デザイン
- システムを作る最初の段階から、安全性を考えて設計する考え方です。
- 多要素認証
- パスワードに加えて別の確認を求め、ログインを守る仕組みです。