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衝動買いからポケットスタジオへ:M-Vave FM-1
デバイス2分で読めます
M-Vave の小型シンセ「FM-1」が、ユーザーが自由に作れる「カスタムファームウェア」で遊べるようになった話です。メーカー側も、中身を公開する形で後押ししています。
何が起きたか
FM-1 は、もともとは有名なシンセ「Yamaha DX7」の小型版として売り出された機械です。発売当初は、箱に書かれた通りのことしかできませんでした。しかし 7 月に、Reddit の掲示板で有志がプログラムの仕組みを解析し始めました。9 月には自作のファームウェア(機械を動かす基本ソフト)が出回り、10 月には紹介しきれないほど多くのプロジェクトが生まれました。中には、ゲームの『Doom』が動くものもあります。10 月 17 日、M-Vave は「FM1 Open」を発表しました。これは、持ち主が自由に新しい機能を作れるようにするためのソフト一式です。
主な数字と事実
- 価格は手数料込みで 59.72 ドル
- 鍵盤は 27 個、画面は 1.54 インチの TFT(カラー液晶の一種)
- 公開されたのは、ファームウェアのバージョン 15、開発キット(SDK)、ブラウザで使える作業場所
- 実機に書き込む前に試せる、ブラウザ上のエミュレーター(動作を真似する仕組み)もある
ふつうとは逆の進め方
普通、閉じた機械を有志が解析すると、メーカーが後から公式の修正を出すことが多いです。しかし M-Vave はその逆を選びました。アプリの部分のソースコードは GPLv3 という、誰でも改良して共有できるライセンスで公開されています。ただし、音を作る中心の部分(シンセエンジン)は、中身の読めない形のまま配られています。つまり、公開されているのは「アプリの層」だけです。
なぜ大事なのか
安い機械でも、持ち主が手を加えられると長く使えて、新しい遊び方も生まれます。M-Vave が開発の入口を開いたことは、コミュニティにとって大きな前向きな動きです。ただ、音の心臓部が非公開である点は、完全に開かれたわけではないと覚えておくとよいでしょう。
今後の注目点
- 有志が作るファームウェアが、さらに増えるかどうか
- M-Vave が、シンセエンジン部分も公開するかどうか
- 公式のアップデートが、コミュニティの成果をどう取り入れるか
用語解説
- M-Vave
- 小型の電子楽器や音楽機材を作るメーカー。
- FM-1
- 周波数変調(FM)方式で音を作る、ポケットサイズのシンセサイザー。
- Yamaha DX7
- 1980 年代に大ヒットした、有名な FM シンセサイザー。
- ファームウェア
- 機械の動きを決める基本ソフトのこと。書き換えると機能が変わる。
- GPLv3
- ソースコードを誰でも自由に使い、改良・共有できるとするライセンスの一つ。
- エミュレーター
- 別の機械の動きをパソコン上で真似して、実機なしで試せるようにするソフト。