DE — heise online
MistralとDeepLのCEO、欧州のAI「降伏」に警鐘
AI2分で読めます
ヨーロッパのIT企業のトップたちが、ヨーロッパは独自の最先端AIモデルを作るべきかという議論をやめるべきだと警告しています。あきらめると、ヨーロッパは他国のAIに頼り続けることになると主張しています。
何が起きたのか
フランスのMistral(ミストラル)やドイツのDeepL(ディープエル)のトップらが、AIモデルを自前で作るかどうかの議論に強く反対しています。フォン・デア・ライエンEU委員長を含む一部のヨーロッパの指導者は、最先端のAIを作る必要はなく、役立つアプリを作って稼げばよいと考えています。しかしテック企業のトップたちは、それは「降伏」に等しいと批判しています。Mistralのアルトゥール・メンシュ氏は「作るか、降伏するか」というSNS投稿をし、ヨーロッパが最先端モデルを作るのをやめれば、AIの世界での存在感を失うと述べました。スウェーデンのLegora(レゴラ)のマックス・ユンドストランド氏は、今の段階で強い研究所を作るのは「願望にすぎない」と発言し、この議論のきっかけを作りました。
数字で見るポイント
- 欧州委員会は、総額およそ300億ユーロ(約300億ユーロ)のAIギガファクトリー7か所の建設を始めました。
- AIモデルは、膨大なデータで学習させたコンピュータープログラムです。最先端のモデルを学習させて動かすには、大きな計算能力とお金が必要です。
- イタリア企業Domynが率いる欧州企業のグループは、独自の最先端モデルを開発中です。EUの公用語すべてに対応する予定です。
なぜ議論になっているのか
AIモデルは、たくさんのデータを読み込んで賢くなるプログラムです。アメリカや中国の大企業が先頭を走っており、ヨーロッパは後れを取っていると感じる人が多くいます。そのため、ヨーロッパが自前のモデルを持つべきか、それとも既存のAIを使ったサービス作りに集中すべきかで意見が分かれています。
なぜ大切なのか
トップたちは、ヨーロッパが他国のAIツールに頼り続けることを心配しています。また、貿易赤字も懸念しています。貿易赤字とは、外国の技術に払うお金が、外国に売って得るお金より多くなる状態のことです。DeepLのクトウォフスキ氏によると、多くのソフトウェア企業は、エンジニアの給料ではなく、AIモデルの利用料に予算の大部分を使っているそうです。ヨーロッパに自前のモデルがなければ、そのお金はアメリカに流れてしまいます。
今後注目したいこと
- 7か所のAIギガファクトリーが、予定どおりの時期と予算で完成するか。
- Domynが率いるグループの最先端モデル開発がどこまで進むか。
- EUの指導者たちが、トップAIモデルより、AIアプリに力を入れる方針を変えるかどうか。
用語解説
- Mistral
- フランスのAI企業で、AIモデルを作っています。
- DeepL
- ドイツのAI翻訳サービスを作っている会社です。
- Legora
- スウェーデンの法律分野向けにAIを使ったソフトを作る会社です。
- AIギガファクトリー
- AIモデルを学習させるための大規模なコンピューター施設のことです。
- Domyn
- イタリアの企業で、欧州の企業グループを率いて最先端モデルを開発しています。