UK — The Register
英フィンテックのRevolut、Claudeを外して自社ホスティングに移行しAIコーディング費用を10分の1に削減
AI2分で読めます
イギリスのフィンテック企業Revolutは、外部のAIサービスから自社運用のAIモデルへ切り替え、AIコーディングの費用を約90%減らしたと発表しました。
何が起きたのか
Revolutは、Claudeのような有料の外部AIサービスに頼る方法をやめ、自分たちのサーバーで動かす「自社運用」のAIモデルを基本にしました。その結果、AIがコードを書くための費用(推論コスト)が1年足らずで約90%下がりました。発表したのは、同社の運用・インフラ責任者David Abitbolです。約2,000人のエンジニアにAIコーディングツールを導入した結果、コーディング時間は60%、リードタイム(作業開始から完成までの時間)は70%改善したと話しています。
主な数字
背景: なぜ自社運用に変えたのか
当初Revolutは、AIを使うエンジニアの利用料が月に1,000ドルや1万ドルにもなり、見合う成果が少ないと感じていました。そこで利用に上限を設けましたが、エンジニアは使える量が限られてしまいました。トークンとは、AIが文章を読んだり書いたりするときの小さな単位のことです。安く使えるようになると、エンジニアは量や使い道を気にせず、デバッグや、Jiraなどの作業管理チケットの処理にもAIを使えるようになりました。
なぜ重要なのか
AIの費用が下がれば、企業は多くのエンジニアにAIを自由に使わせられます。Revolutの例では、速さの改善はコードを書く作業よりも、デバッグや細かな作業の整理で大きな効果が出たとされています。また、同社は「100万トークンの長い文脈が使えても、実際に役立つのは約25万6,000トークン」と述べ、設定の調整や速さの目標(最初の応答まで3秒以内)も具体的に示しました。ただし、これは1社の経験で、効果は会社ごとに違う可能性があります。
今後注目すべき点
- 他社も自社運用のAIへ切り替えて、同じように費用を下げられるか
- GPUなどの計算機器の費用や、設定の手間がどれくらいかかるか
- オープンなモデルの性能が、有料の外部サービスに近づき続けるか
用語解説
- Revolut
- スマホで使う銀行・決済などの金融サービスを提供するイギリスの会社。
- Claude
- Anthropicが作ったAIモデル。文章やコードを作れる。
- GLM-5.3
- 中国のZ.aiが開発した、公開されているAIモデル。Revolutは自社サーバーで動かしている。
- GPU
- AIの計算を速く行うための専用の半導体部品。
- トークン
- AIが文章を扱うときの小さな単位。使った量に応じて料金がかかることが多い。
- Jira
- 仕事の作業や課題を管理するためのソフトウェア。