US — Ars Technica
火星上の1,000マイルの雲、自然界では見られたことのない物理現象を示す可能性
宇宙2分で読めます
火星の火山アルシア山の近くに、毎朝現れて長く伸びる雲が見つかりました。研究者たちが、この雲を初めてコンピューターで再現することに成功しました。
何が起きたのか
火星の春と夏の間、毎朝とても細長い雲があらわれて、やがて消えます。雲は火山アルシア山の近くで生まれ、少しずつ長くのびます。1,000マイル(約1,600キロメートル)を超えることもあります。この流れが、数か月にわたって毎日くり返されます。研究者たちは、この雲を「アルシア山の細長い雲(AMEC)」と呼んでいます。研究チームは、この雲のでき方をコンピューターで初めて再現しました。その結果、これまで一度も自然界で直接観測されたことのない物理の仕組みが関係している可能性が出てきました。
主な数字と事実
- 雲の長さは1,000マイル以上(ニューヨークからカンザスシティまでの直線距離とほぼ同じ)
- 雲が初めて記録されたのは2018年で、探査機によるものです
- 雲は火星の春と夏の間、毎朝あらわれて消えます
- この雲が現れる時期は、数か月続きます
なぜ見つけるのが難しかったのか
火星は地球よりずっと薄い大気を持つ赤い惑星です。雲の正体を説明できる理屈が長い間見つからず、研究者たちは困っていました。今回の研究では、教科書には書かれているものの、自然界では起きないと考えられてきた「珍しい物理」を取り入れました。
なぜ大切なのか
もしこの雲が本当に珍しい物理によって生まれているなら、惑星の大気について私たちが知っていることを見直す必要があります。研究を率いたホルヘ・エルナンデス=ベルナル氏は、「この物理を取り入れたら、雲は私たちの予想どおりに現れた」と話しています。これは、理論が現実を説明できる可能性を示す大きな一歩です。
これから注目したい点
- ほかの科学者が、同じ結果を再現できるかどうか
- 実際の火星の観測データで、この珍しい物理が確かめられるかどうか
- 同じような雲が、ほかの惑星の大気でも見つかるかどうか
用語解説
- AMEC
- アルシア山の細長い雲の略称で、この記事で話題の雲のことです。
- 探査機
- 宇宙へ送られ、惑星などを調べるための機械です。