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Show HN: Ranet3 – 高性能ポリシールーティング対応IPsecメッシュSD-WAN
ソフトウェア初登場 34ポイントコメント9件
ranet3 は、ネットワーク同士を安全につなぐ新しいソフトウェアです。通信の経路を細かく選べ、遅延を減らす工夫をしています。開発者は、これが速く動くと Hacker News で紹介しました。
何が起きたのか
開発者が「ranet3」を公開しました。これは「SD-WAN」と呼ばれる、拠点同士を結ぶ仮想の専用線のようなしくみです。データは暗号化され、IPsec という古くからの安全な方式で送られます。通信の経路は、送り元と送り先のアドレスごとにルールで決められます。
主な数字
- 10 ギガビット・イーサネット(10 GbE)の回線の上限のうち、95%の速さを出せた(1本の流れで一方向)
- 一方向の速さは 8.39 Gbit/s。回線の上限は 8.84 Gbit/s
- カーネル(OS の中核部分)で動く IPsec より、速さは 1.6〜2.1 倍
- 遅延(RTT)の 99%目は、高負荷時でも 1.91〜4.96 ミリ秒
- テストは 2026 年 10 月 15 日に実施
基礎知識
ranet3 は、通信を一つのプログラムの中で処理する「ユーザー空間」で動きます。多くの場合、OS の中核部分(カーネル)で動くものより遅くなると考えられています。しかし ranet3 は、その常識を破るほど速い結果を示しました。また、経路の遅延を測り続け、直接つながる道が遅ければ、中継地点を通る道を選びます。遅延が戻れば、また直接の道に戻ります。
なぜ大事なのか
会社の拠点や家庭のネットワークは、速さと安全さの両方が必要です。ranet3 は、標準の方式(IKEv2、ESP、Babel、SRv6)を使うので、ほかの機器とも連携しやすいとされています。Tailscale などの既存ツールは、自分たちのアプリを入れた機器しか参加させません。ranet3 はそれらと同じ機器で並べて動かせます。ただし、速さの数字は開発者自身の測定なので、ほかの環境でも同じになるかは確かめが必要です。
今後注目したい点
- ほかの第三者が同じテストで結果を再現できるか
- Linux 以外の機器や、他社のルーターとの連携がうまくいくか
- macOS など、多くの種類の機器で安定して動くか
- ライセンス(FSL-1.1-ALv2 / Apache-2.0)がどのように使われるか
用語解説
- SD-WAN
- 離れた拠点をつなぐネットワークを、ソフトウェアで賢く管理するしくみです。
- IPsec
- インターネット上でデータを暗号化して安全に送るための方式です。
- Babel
- 通信の道筋を自動で選ぶための、ルーター同士の情報交換の方式です。
- SRv6
- パケットに通る中継地点を書き込み、道順を指定する方式です。
- RTT
- データを送ってから返事が戻るまでの時間です。遅延の目安になります。