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流暢な説明と確かな因果は別物である――ジャレド・ダイアモンド主要三著の説明力を測り直す|Reading Monkey
政策・産業初登場 81ポイント
ジャレド・ダイアモンドの三つの有名な歴史の本を、「説明が本当に証拠で支えられているか」という基準で測り直した記事です。筆者は、話がなめらかに読めることと、因果関係が確かであることは別物だと主張しています。
何が書かれているか
記事は、ダイアモンドの『銃・病原菌・鉄』『文明崩壊』『昨日までの世界』を取り上げます。筆者は、これらの本が環境という要素に注目したこと自体は問題ではないと述べます。問題は、いくつかの有力な原因をつなげた物語が、その全体について証拠で示された以上の説明力を持っているかのように書かれている点です。筆者は、ダイアモンドを批判するために逆の極端な説を使うのは正しくないとも指摘します。
説明の筋道をどう見るか
記事は、地理から食料生産、人口、技術、征服へと続く流れを一本の鎖として示します。しかし、鎖の一つ一つのつながりが成り立つことと、鎖全体が実際の歴史の結果を説明できることは同じではありません。たとえば、ある技術が使えることと、それが実際に誰かに使われて支配が続いたことは別の話です。
数字で見る検討のポイント
- 記事が取り上げる本は3冊で、刊行年は1997年、2005年、2012年です。
- 『銃・病原菌・鉄』が扱う期間は一万三千年です。
- 東西軸仮説については、支持する研究と支持しない研究があり、研究ごとに何を示したかが違います。
- 『歴史は実験できるのか』は、比較できる事例から因果を考える方法を勧めた本です。
なぜこの議論が大切か
歴史の本は、読みやすく面白いほど、説明が正しいと思われやすくなります。筆者は、どの主張が、どの証拠で、どこまで支えられているのかを一つずつ見ることが大切だと述べます。この見方は、ダイアモンドを支持する人にも批判する人にも同じように当てはまります。
これから注目したい点
- 東西軸仮説について、今後どの研究がどんな証拠を示すか。
- ラパ・ヌイの人口崩壊説に対する反対の証拠が、さらに検討されるか。
- 歴史全体を説明する枠組みで、因果を確かめる新しい方法が出てくるか。
用語解説
- ジャレド・ダイアモンド
- アメリカの研究者で、人類の歴史を自然環境や地理から説明する本を書いた人です。
- 銃・病原菌・鉄
- ダイアモンドが1997年に出した本で、大陸ごとの力の差がなぜ生まれたかを説明しようとした本です。
- 東西軸仮説
- 東西に長い大陸では、作物や技術が広まりやすく、有利だったという考えです。
- ラパ・ヌイ
- 南太平洋にあるイースター島の別の呼び名で、人口崩壊の説が議論されてきた場所です。
- 因果
- ある出来事が別の出来事の原因になっているという関係のことです。